今だからこそ知りたい! 映画レビュー:『ミッション:インポッシブル3』(2006)

人質は愛する妻。タイムリミットは48時間。イーサン・ハント、最大の試練。


MISSION:拉致された教え子の救出、そして闇市場の武器商人を追え

現役のエージェントを退き、IMFの訓練教官として穏やかな生活を送っていたイーサン・ハント(トム・クルーズ)
そんな彼に舞い込んだのは、教え子である女性エージェント・リンジーが任務中に拉致されたという知らせだった。イーサンは現場復帰を決意し、彼女を救出するミッションに加わることになる。

事件の背後にいるのは、闇市場の武器商人オーウェン・デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)。凶悪なテロリストでありながら正体はつかめず、CIAやIMFすらも後手に回る手強い相手だ。

今回のミッション連絡ツールは、使い捨てカメラ型の超ハイテク装置。レンズを覗くと網膜スキャンで映像が再生され、メッセージが再生後に自動消滅する仕組み。技術進化と共にギミックも進化!


登場人物相関図(主要キャスト)

  • イーサン・ハント(トム・クルーズ)
     元エージェント。今作では「普通の人生」を歩もうとし、婚約者との結婚を考えていたが——。
  • ジュリア・ミード(ミシェル・モナハン)
     イーサンの婚約者で病院勤務。一般人として生きてきたが、知らぬ間に世界規模の陰謀に巻き込まれる。
  • オーウェン・デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)
     シリーズ屈指のリアルで冷酷な敵。武器商人として世界の裏で暗躍する非情な男。
  • ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)
     シリーズおなじみのハッカー。イーサンの数少ない信頼できる仲間。
  • ベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)
     シリーズ初登場。技術スタッフとしてイーサンをサポート。以降、シリーズの主要メンバーとなる。

見どころ1:上海高層ビルで“振り子ダイブ”! 驚愕のスタジオ撮影

今作でもアクションは健在。中でも**クライマックスの上海での“振り子ダイブ”**は、観客の度肝を抜いた。

目標は、56階にあるラボに保管された謎の装置「ラビットフット」の奪取。
作戦は、隣の高層ビルからワイヤーで飛び移り、振り子のように目的のビルの屋上に飛び込むという離れ業。
あまりの危険さから当初は中止案も出たが、トム・クルーズの熱意により、ビル屋上の一部をスタジオに再現して撮影を敢行。しかも、スタジオとはいえ実際にクルーズがビルの縁から落下してしまったというエピソードもあり、その危険度は想像を超えている。

まさに命を懸けたスタント。アクションのリアリティが別次元だ。


見どころ2:リアルすぎる爆発描写! 橋の上の死闘

中盤のチェサピーク・ベイ・ブリッジでの襲撃シーンは、本作でもっとも衝撃的なアクションのひとつ。

イーサンたちはデイヴィアンを護送中、敵の攻撃を受ける。ドローンや爆撃によって橋は大混乱。
なかでも印象的なのは、爆風によってイーサンの身体が浮き上がり、横の車両に叩きつけられる描写CGではなくワイヤーアクションと爆薬による実写演出で、体感的な衝撃と緊迫感が桁違い。

4.5メートルの亀裂を飛び越えるシーンや、トラックの下を滑り込むシーンなど見どころは多いが、爆発のリアリティが観る者の記憶に強く焼きつく。


監督J・J・エイブラムスの手腕と“ヒューマンドラマ”の深化

今作の監督は、TVドラマ『LOST』や『FRINGE』などで名を馳せたJ・J・エイブラムス
彼の参加により、『M:i:III』はシリーズの中でももっとも“人間味”にあふれたドラマとなった。

イーサンが結婚し、愛する人を守るために任務に挑むという物語は、それまでのシリーズにはなかった「感情の動機」を加えた。その結果、アクションはスリリングでありながらも、物語の軸に家族愛・絆・葛藤といった普遍的なテーマが根付き、キャラクターに深みを与えている。


総評:シリーズのターニングポイント、感情とアクションの融合

『M:i:III』は、アクションのスケール、ドラマ性、キャラクター描写のバランスが絶妙な一作だ。
トム・クルーズの肉体を張ったスタント、フィリップ・シーモア・ホフマンの怪演、そして何よりイーサンの“人間らしさ”が浮き彫りになる脚本は、シリーズの新たな地平を切り開いた。

家族を守るスパイという新たなテーマ性を導入し、以降のシリーズに大きな影響を与えるターニングポイントとなった。


評価:★★★★☆(4.3/5)
ジャンル:スパイ/アクション/ヒューマンドラマ
監督:J・J・エイブラムス
主演:トム・クルーズ、ミシェル・モナハン、フィリップ・シーモア・ホフマン
公開年:2006年
上映時間:126分


次回、第4作『ゴースト・プロトコル』では、IMFがまさかの「組織解体」!?
よりスケールアップし、グローバル化するミッションに乞うご期待! ご希望があれば次作も執筆します。

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安全面から当初はボツになりかねなかったこのアクションは、トムの熱意から「高層ビルの屋根をスタジオに再現する」という形で実現。スタジオとはいえ、やっているアクションは「スゴい」の一言に尽きる。現にこのセットの屋根の端からト

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